抽象化の果てに何があるのか

一日だけ鶏をシめるバイトを手伝ったことがあります。
食用鶏の事を通称ブロイラーと呼び、そいつを叩き殺しに行きました。
鶏舎の中は鶏がすし詰め状態で、地面が見えませんでした。
「とりあえず、最初に1匹だけ好きにシめてみて」
と言われました。
 
最初は可哀想でしたが、バイト代の為に殺そうと思いました。
やり方を教えてくれなかったので、壁に叩きつけたり、地面に叩きつけたりしました。
コケーとは鳴きますが、鶏は中々死なないものです。たくましい。
 
2匹目に突入かという所で首の骨の折り方を教えてもらいました。
それからは順調に一日中鶏を殺すことができました。
 
帰るときにブロイラーのおじさんに
「君たちが食べてる鶏は最初から死んでる訳じゃないって分かった?」
と言われました。
 
確かにブロイラーにはスーパーに並んでいる鶏たちのリアルがありました。
 
 
中学生の頃、やくざの様な人に絡まれたことがあります。
ファミレスの駐車場で、いきなり殴られました。
どうやら、一緒にいた友達の目つきが悪かったようです。
 
僕は人を殴ったことがないし、おもいっきり殴られたことが無かったのでガタガタ震えました。
そして、「すいません、すひませふ」と何度も謝りました。
 
この時、僕はホーリーランドやワンピースなど集めていましたが何の役にも立ちませんでした。
本当は手など伸びてくれないし、ワンツーなどやろうと思ってもできません。
 
漫画には無い、痛さ、恐怖。
リアルがそこにありました。