笑わない数学者 -森博嗣-

よいか、あらゆる課題は、現実と理想、あるいは事実と理想の間のギャップにある。
それを自覚することだ。しかし、現実や事実は常に真実とはいえない。
それは、あくまでも、お前たちの目が観察したものだ。お前たちの頭が認識したものだ。
それを自問するのだ。見ないものを考えるのが人間の思考なのだ。お前たちは、自分の姿が見えなくても、
自分の存在を知っている。それが人間の能力ではないか

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)